千倉鉱泉 千倉館 : 昭和な観光パンフ
小学生の頃二度ほど房総白浜に行った。そこで、磯の海に憧れを持ってしまった。千倉は房総白浜のすぐ近くなので、いつか行きたい場所だった。でも中々機会がない。千倉であれば、鉄道でそのまま行けるのだが、いつか行ける日が来るのだろうか。
また、このパンフの年代は後述するが、1949(昭和24)年-1964(昭和39)年に作られた事になる。ただ、このパンフが直感で高度成長期の頃に作られたのではないかと思っており、多分昭和31-39年くらいの間ではないか?と睨んでいます。
千倉町について
千倉は現在の南房総市に含まれるが、人口が多いエリアで、市役所こそないものの、財政的には豊かだったようで、行政機関はいまだにある。又、千倉館のページには「魚の行商が構える「蔵」が無数に点在していたこの町はいつの頃からか「千倉」と呼ばれ、多くの旅人が集まったといわれています」
千倉温泉と源頼朝
現在、鎌倉殿の十三人という大河ドラマが放映中で、先月の放送で安房国に逃げ延びた話があった。つまり、1180(治承4)年,石橋山の戦いにて大庭景親ら平氏方との間で行われた戦いに敗れた源頼朝は、その後現在の鴨川市にある仁右衛門島に逃げる。千倉郷の狩場で愛馬「羽衣」が脚部を負傷したので、湧き水で浴したところ、怪我が治ってしまった。また頼朝も旅の疲れを癒やした・・・
と云われる千倉温泉。千倉温泉は基本的には硫黄成分が強い温泉で白濁している。多分草津温泉と同じ様な温泉かもしれない。硫黄なので消毒作用もあったのかもしれない・・・
千倉館について
千倉は宿場町だったようで、多くの人がここに訪れたらしい。千倉館のホームページに依ると花街もあったらしい、千倉館の前身は、宿のすぐそばを流れる川尻川から名前をとった「川尻館」だったそうだ。それが昭和15年に千倉館として現在に続くらしい。現在の千倉館はデザイナーの内田繁もデザインした空間もあり、建築好きな人であれば一度は立ち寄りたい場所であると思う。私も行ってみたい。
平面間取り図
この平面図に東海汽船の時刻表も入っている。東海汽船は元々は渋沢栄一の構想と協力で出来た東京湾汽船が元の会社となっている。東京湾汽船が東海汽船になったのは1942(昭和17)年で現在に至る。ただ、浦賀から金谷へのルートは戦後進駐軍の軍艦が浦賀水道を通る事が優先されたため、この便は戦後は遅れ気味だったようだ。
古パンフの中の千倉館写真
千倉海岸より当館を望む
大広間舞台付
離れより千鯛を望む千倉海岸
離れロマンス風呂入口
其他の写真
海女入海準備写真
この写真が千倉海岸なのか、或いは野島崎附近であるのかは何ともわからない。ただ、房総の海女さんたちの姿だなあ・・・という感じがします。
灯台写真
千倉附近の灯台と言えば、白浜町にある野島崎灯台を指すのだと思います。野島崎灯台は「白鳥の灯台」とも呼ばれ、とても美しい灯台です。条約灯台と云われ、1866(慶応2)年米、英、仏、蘭との間の、「改税条約(別名・江戸条約)」によって建設を約束した灯台の一つ。F・L・ヴェルニーを首長とするフランス人技師たちの設計によって建設された。竣工は1869(明治2)年。
アクセス
路線図
この地図で見ると千倉駅からえらく遠い感じがするが、実際はせいぜい500m-1km程度しかない。この当時はバスのルートが書かれているが、現在は千倉駅から無料送迎バスが出ている(予約要)。
バス時刻表
主に、館山駅から白浜を経由して千倉に至るルートと逆に千倉から白浜を経由して館山まで行くコースと2つあったようだ。ただ、2022年現在、館山ー白浜ー千倉と周るコースを持つ路線バスが見当たらない。国鉄バスと書かれているのこのパンフ自体が、1949-1987年の間のパンフである事が分かる。
房総西線時刻表とこのパンフの年代
時刻表を見ると房総西線という言葉が出てくる。内房線のWikipediaによれば、「1933(昭和8年)には再び蘇我駅 – 木更津駅 – 安房鴨川駅間が房総西線として分離され、1972(昭和47)に現在の内房線に改称された」とあるので、このパンフが作られたのは昭和8年-47年の間という事になる。ただし、フェリーの港としては浦賀港は1964(昭和39)年に廃止され久里浜になった。
つまり、昭和8年-昭和39年の間と絞れる。さらに省線から国鉄に変わったのが、1949(昭和24)年。そこでさらに絞られ、このパンフは1949(昭和24)年-1964(昭和39)年に作られたことになる。感覚的には昭和30年代のパンフという感じがする。さらに発行日を絞れそうだが、なにかお分かりの方がいらしゃいましたら、アドバイスお願いします。
現在の千倉駅
千倉駅はRC造打ち放しでモダンな建物。竣工は2007年で、交通設計による作品。
最後に
房総は磯の海が多く、楽しい。何度も行きたいと思うが、中々機会がない。房総関連のパンフはまだ色々あるので、調べて発表していきたいと思う。
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